タヨウ星人たち松江に現れる!
岩槻 邦男(兵庫県立人と自然の博物館 名誉館長)
多様性といえばどんなことを思い描きますか?
ちょっと文字を入れ替えたタヨウ星人たちが松江にやってきました。1890年に松江にやってきたヘルン(ラフカディオ・ハーン)さんより120余年遅れていますが、40億年の生き物の歴史からみるとほんの一刻の遅れです。
多様性という言葉は多様に使われます。2010年、名古屋でCOP10(本名は第10回生物多様性条約加盟国会議といういかめしい名前です)というイベントが催されました。「生物多様性」という言葉が飛び交いました。多様というのはいろいろあることなんだと悟らされました。それをきっかけに、擬人化されたさまざまなキャラクターのいっせい登場です。タヨウ星人たち !
「生物多様性」というのは、さまざまな生き物たちが、お互いにつながり合い、いのちの絆を分かち合っていることだと知りました。地球という星の上に生きている生き物たちは、さまざまなすがたをとっていてもみんなでひとつのいのちを生きているのです。
多様性を語るために、宇宙からタヨウ星人たちが地球を訪れました。120年前に松江にすがたを現した「変な外人」ヘルンさんと共演するためです。生き物は多様なんだ、しかしいのちはすべてつながっているんだということを彼らの対話から聞き取れますでしょうか?
松江へやってきたタヨウ星人たちが皆さんに何を語りかけるか、彼らの生みの親の河南堂珍元斎に出逢う機会もできればいいですね。
生物多様性大作戦を練った「ひとはく」からのご挨拶です。
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ハーンと「生物多様性」 こどもたちへのメッセージ
小泉 凡(小泉八雲記念館顧問 小泉八雲ひ孫)
ヘルンさん
自然を愛した作家ラフカディオ・ハーン(日本名:小泉八雲
)。自然にまつわるエピソードを、みんなだけにそっと教えてくれる、この展覧会のナビゲーター。
ハーンは人間が自然と共に生きることがもっとも大切だと考える人
でした。その考えは、おそらく子どものころから日本へたどり着くまでの異文化の体験が深く作用したのでしょう。
カリブ海のマルティニークでは執筆中にヘビが自分の肩をはって横切ったといい、日本では執筆中にいやというほど蚊に食われましたが、それでもまったく平気でした。松江の家では、カエルを捕ろうとするヘビに自分の食べ物を分け与えることで空腹を満たさせ、カエルの命を救ってあげました。また机の上にはいつも虫籠を置いて、スズムシやマツムシの声を楽しんでいました。ハーンが作品に取り上げた生き物は蚕・セミ・夜光虫・トンボ・カエル・草ヒバリ・ホタル・ハエ・チョウ・蚊・アリなどたくさんありますが、これらの生き物の多くは、当時、西洋ではあまり歓迎されるものではなく、文化として生かされることもありませんでした。
つまりハーンは、人が自然を選び、コントロールするという考えにはなじめない人でした。これからの地球の未来には、このような異なるものが共に生きることを認める精神が必要とされています。それが「生物多様性」というものです。タヨウ星人の絵を楽しみながら、地球の未来にとって必要なことを考えていただければ、幸せです。
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タヨウ星人の生みの親!
謎の講談師&絵師
河南堂珍元斎さんのプロフィール
チンゲンサイde
チンゲンサイ
タヨウ星人の生みの親。驚くほど筆が速い。講談が大得意で、河南堂珍元斎という名前ももっている。
本名 川東 丈純さん
1964年兵庫県明石市生まれ。
各地のミュージアムなどで展示や話芸、お絵描き芸を使った独自のスタイルで人と自然、日本文化を伝えることをライフワークとしています。日本初のインターネット文学館「ネットミュージアム兵庫文学館」を立ち上げ、展示企画や運営を5年間担当。
人と自然の博物館で特別展「ファーブル大作戦!」や企画展「ぎっちょん君参上!」を担当し珍元斎としての活動を確立しました。
現在は、ボランティアで人と自然の博物館地域研究員として「タヨウ星人原画展」や「ゾウの描いた絵展」などで生物多様性を伝える展示やワークショップを行っているとてもパワフルでユニークな人です。
講談は四代目 旭堂南陵、絵画は洋画家の故 増田正三郎に師事。塩屋芸術文化協会所属。
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関連企画
大人も子どもも、み~んな集まれ!
河南堂珍元斎のタヨウ星人ギャラリートーク
こどもの日
スペシャル
- 日時:
- 2013年5月5日(日)14:00
- 場所:
- 小泉八雲記念館 企画展示室(島根県松江市奥谷町
322)
- おはなし:
- 河南堂珍元斎さん(タヨウ星人の生みの親)
- 対象:
- どなたでも
- 参加費:
- 5月5日(日)こどもの日は小・中学生 入場無料
大人の方は入館料が必要です。
申し込みはいりません。どなたでもご参加いただけます♪
- お
問い合わせ先:
- 小泉八雲記念館 電話
:0852-21-2147
プレゼント企画
参加してくれた子どもたち30名に、珍元斎さんからオリジナルタヨウ星人の色紙プレゼントしちゃいます !
珍元斎さんから子どもたちへ
「ヒトよりスゴーイ~クラゲくん」「そのときイボが動いた…」「ハチになりたかったアブ」など、ちんげんさいのタヨウで、ヘンで、とってもいとしい生きもののお話。
ん? 僕の顔? それともタヨウ星人? 色紙の中はタヨウ星人的異次元世界…
良い子のみんな。さあ行かん、タヨウ星の世界へ!
ちんげんさいのタヨウ星人
わーるど
タヨウ星人アートであーそーぼっ。
- 日時:
- 2013年8月4日(日)14:00
- 場所:
- 島根県立美術館 アートスタジオ(島根県松江市袖師町1-5)
- 対象:
- 3歳児~小学生(小学校低学年までのお子様は保護者同伴でお願いします)
- 募集人数:
- 30名(保護者も含む)
- 参加費:
- 無料
- 申込み・お問い合わせ先:
- NPO法人松江ツーリズム研究会 電話:0852-20-7515
完成
した作品
は、
島根県立美術館 エントランスホールに8月19日(月)まで
展示します。
ちんげんさいのタヨウ星人な時間
立版古大作戦!!
- 日時:
- 2013年9月15日(日)14:00
- 場所:
- 一畑百貨店
松江
店 4F だんだんサロン(島根県松江市朝日町661)
- 対象:
- 3歳児~小学生(小学校低学年までのお子様は保護者同伴でお願いします)
- 募集人数:
- 20名(保護者も含む)
- 参加費:
- 無料
- 申込み・お問い合わせ先:
- NPO法人松江ツーリズム研究会 電話:0852-20-7515
完成した作品は、一畑百貨店 松江店 4F だんだんサロンに9月16日(月)まで展示します(珍元斎さんの作品は14日(土)から)。
第10回 子ども塾
スーパーヘルンさん講座
「ヘルンさんとタヨウ星人」
- 日時:
- 2013年8月17日(土)、19日(月)、20日(火)
- 場所:
- カラコロ工房、小泉八雲記念館、小泉八雲旧居、出雲かんべの里
- 塾長:
- 小泉凡 先生(島根県立大学短期大学部教授、八雲のひ孫)
- 講師:
- 大谷剛 先生(兵庫県立人と自然の博物館 名誉研究員)
- 鈴木武 先生(兵庫県立人と自然の博物館 研究員)
- 河南堂珍元斎 先生(兵庫県立人と自然の博物館 地域研究員)
- 対象:
- 小学4年生~中学生
- 定員:
- 30名程度(応募多数の場合は抽選)
- 参加費:
- 2,000円(3回分)
- 申込締切:
- 7月22日(月)必着
- 申込み・お
問い合わせ先:
- 松江市産業観光部観光文化課 電話:0852-55-5293
子どもたちが作り上げたタヨウ星人
のお話を、松江市役所市民ロビーに展示します。
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