ミニ展示
小泉清 小品コレクション展
Collection of Koizumi Kiyoshi’s Small Sketches
2017年12月―2018年5月
2階 多目的スペース
小泉八雲記念館では、小泉八雲の三男で画家として活躍した小泉清の小作品を展示するコレクション展を開催しています。
2階のライブラリーに展示している清の代表作の一つ『海』は、長い間多くのお客様に鑑賞していただいております。この度、その『海』の習作ではないかと思われる水彩画を、個人から寄贈していただきました。
その公開に合わせ、記念館が所蔵するいくつかのスケッチや水彩・パステル画などを展示しています。
この機会に、ぜひ足をお運びください。
小泉清 Koizumi Kiyoshi(1899-1962)
八雲の三男として、東京の市谷富久町に生まれた。
早稲田中学校一年生の時、校内展覧会で清の絵が八雲の教え子で英語教師である会津八一の目に留まり、その才能が見いだされた。画家であった大叔父リチャードや父・八雲の画才を受け継いだ清は、東京美術学校西洋画予備科に入学して絵を学ぶが胸を患って中退。23歳で結婚し、その後しばらくは生活のため映画館の楽師としてバイオリンを弾いていた。
46歳の頃から画家として再出発。ブラマンクに傾倒し、フォーヴィズムの画風を追及した清は、チューブから直接キャンバスに絞り出したような力強く個性的な作品を残した。
彼の日記には「西洋的追及か東洋的解脱か。・・・・俺の血管では西欧の血と東洋の血が闘っている」と記してあり、自分の中にある父と母のふたつの血のぶつかり合いに苦悶している。彼の絵はあまりにも強靭で剛直であり、あくまでも西洋絵画そのものであった。
1962年最愛の妻に先立たれた清は、62歳にして自らの命を絶った。
回の小品コレクション展は、2017年11月に市来裕晶氏から寄贈していただいた水彩画「無題」の紹介に合わせ、小泉八雲記念館のコレクションの中から、水彩や墨彩などの小品を中心に展示しました。「無題」のこの作品は、清の代表作「海」(ライブラリーに展示中)の習作だと思われます。彼の繊細かつ大胆なタッチをお楽しみください。